まちの風格!

2017年04月27日

数年前にくらべて、俄然都内のホテルが宿泊できるようになりました。
それも利便性に優れているホテルの予約も可能となり、オリンピックに向けて宿泊施設が充実しつつあると実感しています。

そんな中、先日の出張では中心街に予定があったので、中央、港、千代田近辺で検索し、永田町でホテルを予約しました。
駅からのナビの住所を間違えて、最初についたところはなんと国会議事堂前。
住所を再入力してついたところは、「首相官邸」から約5m道路を隔てたところでした。

もちろん、厳重なる警備がひかれている「首相官邸」ですが、民間の施設がこんなに近くに隣接していていいものかと驚きました。
まちの風格!
まちの風格!

話は少し飛びますが、昨年フィリピンのマニアでマラカニア宮殿をみに行った際は、まず車からおりたらすぐに自動小銃をもった軍人に職務質問をされ、写真の撮影すら許してくれませんでした。
意識して他の国の官邸をみたわけではないのですが、日本のように民間の施設が隣接したところはさほど多くないのではないかと思います。

皇居では広大な土地で、さすがに民間の施設とは隣接していませんが、しかし周りを見渡せば高層ビル群が立ち並んでいます。
それらのビルの高層部にいけば、皇居内が丸見えです。
また、広島の原爆ドームも、隣接する民間の建物によって景観が損なわれているということで、世界遺産から取り下げれる可能性があったとも聞いております。

日本人の広い心をもった国民性がなせる技と言ってしまえばそれまでですが、絶対的なシンボルに対して、どうもその周辺の環境がアンバランスであり、まち全体の風格がかけている箇所が実に多いような気がします。
もちろん、民間企業は営利を目的に、最高な立地をもとめ、法規の範囲内で建物を建設しているのでなんら問題はないのですが、まちは共通の財産という認識が、企業も住民も不足しているのではないかと思いたくなります。

そんな中、銀座では住民が中心になって協定をつくり、建物の高さを56m以下におさえているそうです。
銀座を歩いていると、空が高く見え、歴史も感じ、風格があります。
やはりそこには、まち全体を愛する市民と企業の協力があってこそなりたつもので、末永く継承して頂きたいものです。

最後に、批判する、傍観者になることは簡単ですが、私も建築関係に携わるものとして、常にまちの風格を意識して設計していく使命があると肝に銘じる次第です。





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Posted by ㈱高木滋生建築設計事務所 高木一滋 at 17:31│Comments(0)環境
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㈱高木滋生建築設計事務所 高木一滋
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建築、まちづくり、不動産などを中心に書込みをして
いきたいと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。
㈱高木滋生建築設計事務所 代表取締役
●静岡大学農学部非常勤講師
●資格 一級建築士、宅地建物取引主任、
ファイナンシャルプランナー(AFP)

㈱高木滋生建築設計事務所
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